探偵から調査報告書を受け取ったあとに「これ…使えるの?」と不安になる人は少なくありません。
報告書はあとから作り直しがききにくい成果物です。受け取ってから困らないよう、“弱いポイント”の見抜き方と確認項目をまとめます。
※私は弁護士ではありません。法的評価(証拠能力・慰謝料請求の見通し等)は個別事情で変わるため、最終判断は弁護士に確認してください。
結論:使いづらい報告書は「特定できない・時系列が曖昧・客観性が弱い」
ざっくり言うと、報告書が弱く見える原因は3つです。
- 誰かが特定できない(対象者・相手方)
- いつ・どこで・何をしたかが再現できない(時系列・場所が曖昧)
- 第三者が読んでも同じ理解になる書き方になっていない(主観・推測が多い)
まずは「強い報告書の条件」を押さえておくと、弱点が見えやすいです:探偵の「調査報告書」は何が重要?交渉・裁判で強い報告書の条件
先に確認:あなたのゴールで「必要な強さ」が変わる
報告書に求める強さは、目的によって変わります。
- 離婚・慰謝料まで視野:より厳密な時系列・客観性が必要(迷うなら 調査がうまくいく依頼の共通点|「目的の言語化」で結果が変わる も参考)
- 話し合い・再構築が主:相手の言い逃れを潰せるだけの説明力が欲しい
- まずは事実確認:次の調査設計に使える情報量が重要
契約前に「何が分かれば成功か」を揃えておくと、成果物の基準がブレません:「期待値のズレ」で揉める原因|“何が分かれば成功か”を契約前に揃える
調査報告書の「ここが弱い」と後で困るポイントと確認項目
1)日時が曖昧(「何日の何時?」が言い切れない)
- 行動記録に時刻が抜けている/「深夜」など曖昧な表現が多い
- 写真の説明に「いつ撮影か」が紐づいていない
- 張り込み開始〜終了の前提が分からない
チェック:「時刻つきの行動ログ(分単位)」と「写真の撮影タイミング」が対応しているか。
2)場所が曖昧(どこに出入りしたか特定できない)
- 店舗・ホテル名が書かれていない(または略称だけ)
- 住所・最寄り・目印がなく、第三者が追えない
- 出入口が複数ある施設なのに動線が不明
チェック:「施設名+場所の説明(必要なら地図や注記)」があるか。
3)対象者の特定が弱い(顔・服装・車が説明できない)
- 顔が写っていない/遠すぎる/暗くて判別しづらい
- 服装や特徴の記述が薄く、別人と言われやすい
- 車両を使うケースで、車種・色・ナンバー等の記載が弱い
チェック:写真だけでなく、本文側に「特徴の記録(客観描写)」があるか。
4)行動記録が飛び飛び(空白時間が長い)
- 肝心な前後が抜けている(合流〜入店〜退店の繋がりが弱い)
- 「見失い」「中断」の理由が書かれていない
- 移動手段や経路の説明がなく、同一人物の連続行動に見えない
チェック:空白があるなら、その理由・再捕捉の根拠が説明されているか。
5)“決定打シーン”の説明が弱い(出入りの証拠が曖昧)
- 出入り写真が「誰が・どの部屋に」か分かりにくい
- 同一日に複数施設があるのに整理されていない
- 入室・退出の時刻、滞在時間が明確でない
チェック:「入る瞬間」「出る瞬間」「同一性(同じ人物)」がセットで分かる構成か。
6)写真が“きれい”でも説明がない(証拠としての意味が伝わらない)
- 写真の並びが時系列になっていない
- 各写真の注釈が薄い(場所・状況・人物の説明不足)
- 「何を見せたい写真か」が分からない
チェック:写真ごとに「状況説明(いつ・どこ・誰・何)」があるか。
7)主観・推測が多い(第三者性が弱い)
- 「〜と思われる」「〜のはず」など断定できない表現が多い
- 調査員の感想が混ざっている
- 反対解釈(別の説明)ができてしまう
チェック:事実(観察できたこと)と推測が区別され、事実が中心になっているか。
8)成果物の体裁が弱い(後で整理し直す羽目になる)
- 調査概要・調査日時・調査手法の前提がまとまっていない
- ページ番号、添付資料、写真番号など参照性が弱い
- 「この1枚で全体が分かる要約」がない
チェック:第三者に渡しても「迷子にならない」構成か。
受け取った直後にやること|困る前に“確認→補強”の順で
- チェックリストで赤点を付ける(上の8項目)
- 「不足している情報」を具体化(例:写真3の撮影場所の明記、行動ログの空白理由)
- 探偵社に確認・補足を依頼(追記・注記・写真の差し替え等)
契約や成果物で揉めないための予防線は、こちらに整理しています:依頼後に後悔しないために|契約トラブルあるあると回避策
「使えないかも」と感じた時の質問テンプレ
- この空白時間(◯◯:◯◯〜◯◯:◯◯)は何が起きていましたか?見失いの理由は?
- 写真◯番はどこで撮影したものですか?施設名・出入口・部屋の特定は可能ですか?
- 対象者の同一性(本人である根拠)は、報告書内でどう説明できますか?
- 写真の注釈を増やして、時系列の並びにできますか?
- 第三者(弁護士等)が読む前提で、要約ページや索引を付けられますか?