証拠や記録は「集める」よりも、失くさない・漏らさないほうが難しいです。
レシートやスクショ、時系列メモ、話し合いのメモ——集まり始めると、スマホの写真フォルダや紙の束に散らばっていきます。そこで起きがちなのが、紛失/誤削除/共有ミス(家族アルバム等)/パスワード忘れ。
このページでは、探偵経験者の視点で「データ保全の最低限セット」を、道具選びと運用の型に落とし込みます。
結論:保全は「二重化」+「漏えい防止」だけ決めれば十分
- 二重化:同じデータを2か所に置く(例:スマホ+PC、PC+外付け、クラウド+外付け)
- 漏えい防止:共有設定・通知・家族アカウント連携を見直す
「そもそも何が証拠として強いか」は証拠マニュアル(P4-0)、記録の土台は時系列メモ(P4-1)で押さえておくと、保全の優先順位が決めやすくなります。
まず確認:違法・トラブルを避ける「扱っていい範囲」
データ保全は、自分が正当に入手・閲覧できる情報に限って行うのが基本です。無断で端末に侵入したり、相手のアカウントにログインしたり、盗み見に近い形で取得すると、別の問題が起きます。
不安がある場合は、先に合法ラインとリスク管理(P3-0)も確認しておいてください。
保全アイテム1:紙は「スキャン+原本の置き場」
紙は強い一方で、失くしやすいです。家計系の痕跡(明細・レシート)は明細・レシートの保全(P4-4)と合わせて運用すると迷いません。
- スキャン:スマホのスキャン機能/スキャナーでPDF化(影が入らないように)
- 原本:クリアファイルにまとめて、固定の場所へ(「家のどこか」禁止)
- 命名:
2025-08-20_レシート_店名_金額のように日付起点
保全アイテム2:画像・スクショは「原本コピー」を作る
スクショは編集・削除・端末故障で消えます。さらに、SNS投稿や共有で自爆しやすいので注意です(SNS投稿リスク(P3-3))。
- 原本フォルダ(触らない)と作業フォルダ(メモを書いたり整理)を分ける
- 画像の上書き編集は避け、コピーに注釈を入れる
- メッセージ系はLINE・SNSの扱い(P4-3)の注意点どおり「入手経路」と「保管」を丁寧に
保全アイテム3:バックアップの型(いちばん簡単な運用)
完璧を目指すと続きません。おすすめは週1回・5分のルール化です。
- 保管場所A:普段使う端末(PCまたはスマホ)
- 保管場所B:別の場所(外付け/クラウド/別端末)
- 週1回、フォルダを丸ごと同期・コピーして差分が反映されたか確認
「どのフォルダに入れるか」まで決めておくと、次に迷いません。
保全アイテム4:パスワード管理(漏えい事故の予防線)
保全データは、相手に見つかると逆に揉めることがあります。最低限、次の3つだけは徹底してください。
- 端末ロック:6桁以上+生体認証(可能なら)
- クラウド/フォルダ:推測されにくいパスワード+二段階認証
- 共有設定の確認:家族共有、写真共有、PCの自動同期先を見直す
「話し合いの記録」を取る場合も、データの置き場は同じ問題に直結します(話し合いの記録(P4-5))。
やりがちNG:保全で自分が不利になるパターン
- 証拠っぽい画像をLINEで自分宛に送る(端末共有・通知・履歴でバレる)
- 家族アルバムや共有フォルダに保存して第三者に見られる
- USBを無造作に置いて紛失、または誰かが開ける
- 整理が面倒で「後でやる」と放置→時系列が崩れて説明できない
次の一手:整理・ラベリングまで一気に“使える形”へ
保全ができたら、最後は「使える形」にまとめる段階です。フォルダのラベリングや時系列の作り方は証拠整理のファイル一式(P4-7)でまとめています。
まとめ:迷ったら「二重化」と「共有設定チェック」だけ
- 紙はスキャン+原本の定位置
- 画像は原本コピーを作り、編集はコピー側に
- バックアップは2か所に、週1回で十分
- パスワードと共有設定が、漏えい事故を防ぐ
このページは一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断を行うものではありません。必要に応じて弁護士など専門家に相談してください。